心理学の用語に
「バンドワゴン効果」
というものがあります。
たとえば、行列ができているお店は
「きっと美味しいに違いない」と考えがちです。
グルメサイトなどで高評価を得ているお店も
好印象を得がちです。
人間の脳というのはかなり多くのエネルギーを消費しますので、なるべく考えないように行動するものらしいです。
朝起きてから寝るまでの行動でも、
無意識に行っていることがたくさんあります。
いわゆる習慣と呼ばれているものは
いちいち意識することなく行っています。
そうすることによって脳に余計な負荷をかけないようにしているらしいです。
旅行に行った際、
行きは時間がかかって長く感じるけれども、
帰りはあっという間だった、
という経験は誰もがしているのではないでしょうか。
これも刺激の多い「行く」という行為に脳を使って、
刺激の薄い「帰る」という行為時には脳を休ませる、
という人間本来のあり方なのでしょう。
また小学生の頃は時間が長く感じたけれど、
大人になると一年一年があっという間に過ぎていくものです。
これも経験の少ない子供時代は常に刺激ふれているので
一つ一つの事柄が新鮮に記憶されて長く感じ、
年を経ると刺激が少なくなって
無意識に行動することが多くなり
気がつくとこんなに時間が経過していた、
と驚くからだそうです。
そこでバンドワゴン効果です。
行列ができている、
とか
グルメサイトなどで高評価、
などと目に見えて支持を受けていることがわかるものは
より多くの支持を得やすい。
なぜなら考える必要がないからで、
脳を必要以上に使わなくてもすむからです。
これは逆も言えることで、
閑古鳥の鳴いているガラガラの店は
きっとまずいのだろうと考えるし、
グルメサイトなどで評価の低い店も同様に考えがちです。
我が店の商品の売れ行きおいてもそういった事はよくあって、
常連さんは味を知っているから
そういった情報に左右されることはないのですが、
初めて訪れた客などは
品薄になっている商品はきっと人気がある
と思って注文しがちですし、
他と比べて多く残っている商品は敬遠しがちです。
多く残っている商品が敬遠されるのでますます残ってしまい、売れている商品は少なくなるのでますます売れて少なくなる、という店にとっては悪循環に陥ってしまいます。
本日も普段なら真っ先に売れていく「桃のタルト」が、
たまたま最初のお客さんが買わなかったがために
「桃のタルト」だけ売れ残る
という現象が起きてしまいました。
たとえ残ってしまったものであってもお客さんに
「食べてみたい」
と思わせられる商品を作るのが理想ですが、
なかなか難しいものです。