クロアソン 3

完成したクロワッサンは非常に手間のかかるものでした。

 

粉は2種類を微妙にブレンド。

バターも発酵バターを2種類使います。

水はPH6.5の天然水。

脱脂粉乳は、意外と味の決め手になるので

慎重に選びぬきました。

 

作業的にはまず、材料はよく冷やす。

それをまとめていくのですが、

通常のパンのように捏ねたりいたしません。

しかも温度は低く保ちます。

それを冷蔵庫で1日冷やします。

翌日生地でバターを包んで伸ばします。

伸ばしを時間をおきつつ3回繰り返し、

これを一晩寝かせます。

翌朝にようやくカット・成形して発酵させます。

この時急激に温度を上げると、織り込まれたバターが

溶けだしますので、ゆっくりと発酵させます。

そんなこんなで3日がかりでクロアソンが出来上がります。

 

発酵の段階で室温が低かったり、イーストが弱っていたら

綺麗に膨らみませんので、売り物にはなりません。

 

シャコション開店から数年は販売しており、

大変好評をいただきました。

ところがある時、肝心の材料が手に入らない

事態に陥ってしまったのです。

<つづく>