過去のブログを見返したら、ツイッターの題で書いてたんですね。
よってパート3となります。
コメントもいただいたので、調子に乗って更新したいと思います。
ツイッターの『タルト』検索によるわかったこと、
「キルフェボン」「カフェ コムサ」人気の高さ、について。
なかでも「キルフェボン」はすごいですね。
1ピース1,300円やらホール1万数千円のタルトなどという
夢のような金額のタルトを「買った」というコメントが
次から次へと流れてきます。
「タルト」というものを、広く世間に知らしめてくれた、という意味で
「キルフェボン」の功績は大きいと思います。
私が店を始めた11年前は、新しくケーキ屋ができたと聞いて
足を運んでくれながら、タルトしかない事が分かると
「なーんだ」、と帰っていく客がいました。
また、年寄りはおろか、そこそこの若者にも「タルトってなーに?」と
哲学的とも受け止められる質問を受けたものです。
タルトとはこのような形状で、専門店も成り立つんだ、という事は
「キルフェボン」が話題になってくれたおかげで認知されるようになりました。
ただ一つ弊害もありまして、「タルトは生地の上に生のフルーツがのったモノ」そして
「タルトは高い」と言うイメージも一緒に伝播してしまった。
どちらが先に創業なさったのかは存じませんが、
「カフェ コムサ」も同系のタルトを同じような値段で販売なさっています。
なじみは薄いけど魅力的な物が、ほぼ同時期に、二社から売り出されれば、
その値段、商品が当たり前なんだ、と認識されても不思議はありません。
タルトの成り立ちについては、当HPの「現在のラインナップ」欄で
紹介させていただいておりますので割愛いたしますが、
タルトは元々焼きっぱなしのモノが主流でした。
それが流通や冷蔵の技術の進歩によって、生のフルーツを
フレッシュなクリームとともに味わえるモノへと進化しました。
誤解のないよう言っておきますが、私はこのように
進化したタルトを非難しているわけではありません。
私自身も例えばクリスマスなどには生のフルーツがのったタルトを
販売いたしましたし、近いところでは「ブルーベリーのカップインタルト」
などというレア系のタルトも販売いたしました。
ただツイッターの書き込みを読むと、どうも世間の認識が
タルト=生フルーツとなっているのです。
これは悲しい。
衣食住においては、ケとハレ、日常と非日常が存在します。
ふだん着たり食べたり過ごしたりするモノと、イベントに着ていく服装、
もてなしや土産としてのご馳走、セレモニーをとり行う場所は
分けられています。
ですから当店のように地味な商品を簡素な包装でお渡しする
そしてそれに見合った料金の店もあれば、
値段の張る果物を山盛りにして、意匠を凝らした箱にリボンを掛けた
販売員さんも大勢いる店もある、というありようは喜ばしい事だと思います。
ですから、需要があるのならば、1万数千円のタルトがあってもいい。いや
存在すべきです。(私は過去1ホール一万円のトリュフのタルトを販売して
惨敗した過去があります。)
そう、先にあげました二つの弊害は、とどのつまり
当店のような日常のタルトを販売している側の努力不足なのです。
もっともっと努力してタルトというものの多様性を示していかなければ
なりません。
値段の高い安いは直接うまいまずいにつながるわけではありません。
安いけどうまいモノをどんどん作っていくことによって
タルトのイメージを変えていきたい、そう思っています。
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